印刷業界の共通認識?印刷で使用される色の名前の決まり方

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「赤色」ってどんな色ですか?

そう聞かれて頭の中に思い描く色は人それぞれでしょう。印鑑の朱肉のような色を赤と感じる方もいらっしゃれば、血のような赤い色を思い浮かぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか?

でも、印刷のときにそれでは、依頼者とクライアントで仕上がりの色が変わってきてしまうということも多々起こってしまうでしょう。特に、ご自分でデータを作らない場合(印刷会社やデザイナーにデータ作成を依頼する場合)は注意が必要です。

そのため、印刷の世界では、ある程度色の名前が決められています。その決め方は主に2通りあります。

まず1つ目が「JIS慣用色名」を使用したものです。

JIS慣用色名とは269色からなる、鉱工業製品の主に表面色の色名のことをいいます。「JIS Z 8102:2001 物体色の色名」の付表1に示されているのです。基本色が以下の有彩色10色と無彩色3色から成り立っています。

■基本有彩色10色
・赤(あか:red)略号R
・黄赤(きあか:yellow red, orange)略号YR、O
・黄(1)(き:yellow)略号Y
・黄緑(きみどり:yellow green)略号YG
・緑(みどり:green)略号G
・青緑(あおみどり:blue green)略号BG
・青(あお:blue)略号B
・青紫(あおむらさき:purple blue, violet)略号PB、V
・紫(むらさき:purple)略号P
・赤紫(あかむらさき:red purple)略号RP

■基本無彩色3色
・白(しろ:white)略号Wt
・灰色(はいいろ:grey(英)、gray(米))略号Gy
・黒(くろ:black)略号Bk

有彩色とは色の表現において、色相、明度、飽和度の3次元すべてを含む色や色彩のことで、無彩色は明度の次元しか持っていません。基本的には無彩色以外はすべて有彩色となります。これらの13色の基本色から様々な色を作成し、それをきちんと名称付したものがJIS慣用色名です。

赤系であれば「とき色」や「ばら色」、黄色系であれば「ひまわり色」など、269色に名称が付いています。その中から、希望する色を指定することにより、色に対して共通の認識を得ることができます。

また、もう一つの色の決め方として、各インキ会社が出している特色の色を基準とする場合もあります。インキの会社は様々ありますが、各社ともに特色のカラーチップと呼ばれる色見本を作成しています。印刷するとこんな色になりますよという実際の印刷色見本です。

この見本の色にもそれぞれ名称がついていることが多いのです。そして、それはインキ会社同士で統一されているわけではありません。同じ「緑」としても、A社の色見本の「緑」とB社の色見本の「緑」では若干異なってきます。

印刷会社によって、使用するインキの会社は異なりますし、色見本も違います。そのため、同じ色を別の印刷会社で印刷してもらう場合などは色見本のインキ会社が同じかどうか注意しましょう。

JIS慣用色名も各インキ会社の特色色見本も、基本的には適切なCMYK比率は指定されていません。(各印刷会社で独自の設定がなされている場合はありますが)なぜならば印刷環境や印刷機械によって色味に変化があるためです。

どちらにせよ数値が基本ではなく、色見本が基本となるので、クライアントはこの色と指定できますし、印刷会社は、この色見本に合わせて、データの調整や印刷時のインキの調整などを行うことができます。

カラー印刷の場合は、共通の色の見本を持っておくことで、印刷時の色トラブルを防ぐことができるようになるのです。